鍼灸マッサージ院ごぎょうのブログです
開業前や開業後のあれこれを綴ります
2021-04-26
みなさん、こんにちは。
鍼灸マッサージ師 柏井です。
最近のかしわいは、天気予報を見るとき「 風向き 」を確認しています。
同じ15℃でも、南風なら薄手の上着で大丈夫だったり、
北風なら裏地付きのやや厚めの上着が好ましかったり。
気温と風向きに注意すると、上着選びが楽になりました!
さて、
4月からの新しい環境・生活に少し疲労が出てくる頃、、、。
疲れると食欲がなくなっちゃう、
眠りが浅くなってしまう、夜中に目が覚める、
気分がおちこみやすくなる、など、
目に見えない「 疲労 」というモノが症状として現れます。
「うまくストレスを発散しましょう!」とよくいいますが、
具体的にはどういうことなのか、
発散ってなに?というところを、
東洋医学の物差しで噛み砕いていきたいと思います。
東洋医学で「病」とは、
まず五臓に宿る気の虚があり、そこに「病因」が加わり、
血や津液の虚実から熱や冷えが発生、
その寒熱が様々な臓腑経絡に波及して症状(病)として現れる、と考えます。
つまり、少しの疲労程度では症状は現れない。
根本には五臓の弱りがあり、様々なストレス(原因)が加わることで症状がでる、ということです。
どこのプロセスも病を治す上で重要な鍵となりますが、
「病因」から今回のテーマであるストレスの正体を探っていきたいと思います。
病因にはさまざまあります。
風邪、寒邪、暑邪などの自然環境の変化が原因のもの(=外因)、
怒、喜、恐など、感情が原因のもの(=内因)、
食べ過ぎなど、外因、内因以外が原因のものがあります。
自然環境の変化で起こる病は暑邪による熱中症、まれに風邪による顔面神経痛があります。
現代人のストレスの原因は外因より内因が多いと思います。
特に「 怒 」です。
怒り?と不思議に思うかもしれませんが、
怒りという感情は、なにごとも積極的に、潔癖に、てきぱきと物事を片付ける心情です。
めちゃ仕事できる人です。
また、家事育児に立ち向かうお母さんお父さん、覚えることたくさんの新入社員さんたちです。
この感情は、五臓の肝が持つ、外向きに発散する性質を受けてなせるわざ。
物事を緻密に計画的に徹底的に行おうとすれば、
肝が蔵して(蓄えて)いる「 血 」を必要とします。
テキパキ動いていると、しだいに血が消耗され、肝が弱りイライラと怒りっぽくなります。
この時の「怒」は、思うように動けない自分自身への怒りです。
体を動かすガソリンがないので、当然です。
しだいに、夜中に何度も起きる、眼精疲労、寝違え、肩こりなどの症状が現れます。
逆に、その怒りを我慢してうつ状態になるケースもあります。
このときは肝の弱りではなく、血の停滞が起こります。
気分が落ち込む、眠れない、だるいなどの症状が特徴です。
簡潔にいうと、
テキパキ、積極的に動くというのは、「怒」の感情を発生させている肝臓が頑張っていて、
その状態が続いちゃうと、肝が弱ったり、血が停滞して肩こりや不眠になる、ということです。
つまり、ストレスを発散するというのは、
①消耗した血を補うこと。
②補った血を体に巡らせること。
ではないかと思います。
血を補うには、充分な睡眠と食養生です。
酸味やタンパク質をしっかり摂取し、
コーヒー、チョコ、唐辛子などの一時的に体を興奮させるような飲食は避けましょう。
また、肝臓の機能向上、消化促進、補気などの作用がある キャベツ がおすすめです。
今が旬の春キャベツも栄養素は同じなのでグッドです!
血を補ったら、全身に巡らせましょう(発散)!
ヨガやストレッチ、ウォーキングなどの有酸素運動を。
筋トレは血を消耗するので避けましょう。
体をのびのび動かすと、いつのまにか「 怒 」が離れていきます。
イライラ、悶々としながらヨガやウォーキングは不思議とできないものです。
なんとなく不調を感じ始めている方は、
血を補うこと、発散することを意識して過ごしてみてください。
鍼灸はリラックス効果もあるので、疲労をとりたい方にもおすすめです。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
鍼灸マッサージ院 ごぎょう